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早期の受診が有効です | 専門医インタビュー①

2026/2/24

早期の受診は、その後の選択肢を増やし、周囲のサポートを得やすくするためにも有効です。認知症以外の病気が見つかる場合もあります。かかりつけ医に相談しましょう。

症状が一時的な場合がある

認知症は、さまざまな認知機能が全体的に、同じ程度ずつ低下するわけではありません。たとえば、脳の特定の部分がダメージを受けることで発症する「脳血管性認知症」は、少し前までできていたことが今日はできない、日時やタイミングによって症状に波がある、ということが起きます。「難しい本を読んでいたんだから認知症のわけがない」と誤解し、ご本人も家族も混乱してしまうこともあります。ダメージを受けた部分の機能は低下しますが、他の部位の機能は残されており、ご本人にも自分の状態が自覚しやすく、もどかしさや苦しみを強く感じておられる場合もあります。小さな脳梗塞の場合もあり、早期の診断が必要です。

進行を遅らせることができる

認知症は、脳が萎縮したり傷つけられたりすることで発症します。一度失われた機能は根本的な治癒はできません。しかし、失われていない機能を最大限発揮できれば、ご本人らしく日々を送ることができます。また、薬物療法やリハビリ療法などで進行を遅らせることもできます。

治療やリハビリと同じように重要なのが周囲からのサポートです。ご本人を叱りつけたりすることなく、家族は「黒子」に徹し、さりげなく、そのご本人がやったかのように接するよう心がけましょう。ご本人の自信や尊厳が傷つけられずにすめば、症状が穏やかになります。それもまた、進行を遅らせることにつながるのです。

認知症のような症状になる他の病気の可能性

認知症と似た症状が出る他の病気として、よく言われるのが「うつ病」です。気分の落ち込みや集中力の低下による記憶の障害など、アルツハイマー型認知症と重なる症状があります。また、脳梗塞などの脳疾患も、動作が緩慢になったり言葉を発するのが難しくなったりするなど、よく似た症状があります。

さらに、「せん妄」もよく似ています。せん妄は、主に高齢者に見られる意識障害の一種で、夜中の中途覚醒時など意識が曖昧な状態で興奮したり、意味不明の行動がみられて不穏になることをいいます。入院や施設への入居など、生活環境が突然変わったときのストレスや体調が不良の場合も多いので、医師の診察が大事です。

家族に受診してもらう

ご本人は認知症だと認めたくない、だから病院に行きたくない、という場合もあります。家族の信頼関係に傷がつくこともありますから、強引に受診させるようなことは逆効果。まずはご本人の不安に寄り添うことが大事です。

認知症と思っていたら重大な病気が隠れている場合もありますから、かかりつけ医がいれば、「健康診断」として通院を持ちかけてもらい、家族が同行するという流れにすることで抵抗が少なく受診してもらえるかもしれません。地域包括支援センターやクリニックに事前に連絡しておけば、自宅まで来てもらうことも相談できますし、まずは「受診したがらない」ことを話してみてください。

監修:福島県認知症疾患医療センター
舞子浜病院 田子久夫先生